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Ling, E.*; 深本 花菜*; Xu, S.*; 白井 孝治*; 金勝 廉介*; 小林 泰彦; Tu, Z.; 舟山 知夫; 渡辺 宏; 木口 憲爾*
Journal of Insect Biotechnology and Sericology, 72(2), p.95 - 100, 2003/09
家蚕4齢幼虫の造血器官に重イオンビームを局部照射した後に組織を観察すると、照射個体の5齢初期では造血器官内の多くの細胞がネクローシス様の異常形態を示し、造血器官を包む無細胞性の被膜組織が消失するが、5齢後期では器官内部が再び多くの血球細胞で満たされる。これは、重イオン照射によって傷害を受けた造血器官がその後の発育過程で再生することを示している。
Ling, E.*; 白井 孝治*; 金勝 廉介*; 小林 泰彦; Tu, Z.; 舟山 知夫; 渡辺 宏; 木口 憲爾*
Journal of Insect Biotechnology and Sericology, 72(2), p.101 - 109, 2003/09
家蚕の体液中の血球密度は、幼虫の生育ステージの進行にともなってドラスティックに変動する。熟蚕期に血球密度が急激に上昇して最大になり、続いて結繭期には減少する。この変動は、造血器官を局部的にイオン照射して機能破壊した幼虫や、4齢期に造血器官を外科的に摘出した幼虫においても認められる。この結果は、体内を循環する血球数の増加に関して、少なくとも熟蚕期には造血器官が重要な役割を担ってはいないことを示す。今回、蚕幼虫の血球数の変動に幼若ホルモンとエクダイソンが関与していることを明らかにし、また、体内を循環している血球の体細胞分裂が熟蚕期における血球密度の増加に不可欠であることを明らかにした。
Tu, Z.; 小林 泰彦; 木口 憲爾*; 渡辺 宏
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206(1-4), p.591 - 595, 2003/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Instruments & Instrumentation)熟蚕期のカイコ幼虫にHe(50MeV), C(220MeV)及びNe(350MeV)イオンを、全身に均一に、あるいは幼虫の頭部や翅原基,生殖腺などを局部的に照射し、生育への影響を調べた。その結果、成虫での複眼や触角,翅,鱗毛などの器官の欠失,造卵・造精機能の喪失など、照射部位に限定された影響が線量に応じて誘導されることがわかった。一方、照射部位以外への影響は見られなかった。また、照射イオンのエネルギーを制御することにより、深度方向への照射損傷の分布は、イオンの飛程と一致していた。すなわち、重イオンの照射部位とエネルギーすなわち打ち込み深度を制御することにより、体内の特定部分を狙った照射によって機能破壊するラジオサージャリ実験が可能である。
木口 憲爾*; 金城 雄*; 正橋 佳世子*; Tu, Z.; 田村 元*; 白井 孝*; 金勝 廉介*; 小林 泰彦; 田口 光正; 渡辺 宏
JAERI-Review 2000-024, TIARA Annual Report 1999, p.51 - 53, 2000/10
日本原子力研究所高崎研究所の細胞局部照射装置を利用して、家蚕の初期発生制御機構の解析を進めている。これまでの研究から、重イオンマイクロビームを細胞性胞胚期卵のさまざまな部位に照射すると、照射面積、線量及び照射部位に応じて、照射卵から孵化した幼虫の体節や付属肢等に欠失、重複、融合などの形態異常が生じることが判明している。そこで、照射部位と異常発生部位との対応関係を追求、発生研究の基礎となる発生予定原基分布図(fate-map)の作成を試みた。その結果、胚域の前極側から後極側に向かって頭部から尾部形成領域が順に配列している原基分布図が得られ、受精前のまだ核のない部位へのUVレーザー照射によって得られた原基分布図と、今回作成した細胞性胞胚期卵のそれを比較すると、概略一致するものの、いくつか相異する点があることが明らかになった。
木口 憲爾*; 島 拓郎*; 金城 雄*; Tu, Z. L.*; 山崎 修平*; 小林 泰彦; 田口 光正; 渡辺 宏
JAERI-Review 99-025, TIARA Annual Report 1998, p.53 - 55, 1999/10
日本原子力研究所高崎研究所の細胞局部照射装置を用いてさまざまな生物の受精卵や胚子を重イオンで局部照射することによって、発生過程の解析が可能である。カイコは、その遺伝学的バックボーンや形態的・生理的な特徴から、この実験目的には理想的な材料の一つである。そこで、重イオン局部照射がカイコの初期発生過程に及ぼす影響を調べるために、受精直後の卵及び細胞性胞胚期卵に炭素イオンを局部照射し、照射された分裂核及び細胞の形態変化を観察したところ、照射を受けた分裂核は、その後分裂できずに肥大化し、その多くは正常に移動を続けて周辺細胞質に到達するが、一部は脱落して周囲の正常核と置換する場合があることがわかった。また受精直後卵を局部照射した場合は、発生した胚子には照射による影響が見られなかったのに対し、細胞性胞胚期卵への局部照射では、照射部位に対応した形態異常が胚子に誘導された。
Tu, Z. L.*; 白井 孝治*; 金勝 廉介*; 木口 憲爾*; 小林 泰彦; 田口 光正; 渡辺 宏
日本蚕糸学雑誌, 68(6), p.491 - 500, 1999/00
昆虫に適用可能な重イオンビームによるラジオサージャリ技術を確立する目的で、原研高崎研の深度制御種子照射装置を用いて家蚕幼虫の造血器官存在部位(翅原基付近)を局部照射または全体照射し、血球の計数、血漿蛋白質の分析、遊離アミノ酸の測定などにより重イオン局部照射の影響を解析した。重イオン全体照射蚕の血球数は雌雄とも5齢起蚕から4日目までほとんど増加せず、熟蚕になりやや回復した。血中のアミノ酸含量も対照蚕より減少した。SDS-PAGEでは、照射蚕の血漿中に特異的に増加する蛋白質のバンドが80kDa付近に認められた。一方、造血器官存在部位のみへの局部照射によっても全体照射と同様の影響が認められた。以上の結果から、造血器官存在部位への重イオン局部照射により、血球の機能解析が可能と考えられる。
Tu, Z. L.*; 山崎 修平*; 白井 孝治*; 金勝 廉介*; 木口 憲爾*; 小林 泰彦; 田口 光正; 渡辺 宏
日本蚕糸学雑誌, 68(6), p.443 - 453, 1999/00
重イオンビームの家蚕に及ぼす生物影響とその利用法を開発する目的で、家蚕の4・5齢幼虫に重イオンを全体あるいは局部照射し、その後の成長及び形態形成に及ぼす影響を調べた。Cイオン及びHeイオンの全体照射実験から、両イオンの照射効果はほぼ同様であり、4齢幼虫は5齢幼虫よりも感受性が高いこと、蛹化率及び羽化率は照射線量が増大するにつれて低下することがわかった。4齢催眠期幼虫及び熟蚕に局部照射した場合は、その後の生存に大きな影響は見られないが、照射部位に線量に応じて卵形成阻害や翅・鱗毛の欠失などの局部的な影響が誘導された。局部照射により熟蚕の組織・器官の重イオン感受性を調べたところ、生殖巣が最も感受性で(部分障害を誘導する表面線量=10~40Gy)、次いで外部生殖器、複眼、触角及び翅の原基等で高く(20~70Gy)、皮膚組織(150~175Gy)や神経系(500~900Gy)で低いことが明らかになった。これらの結果から、重イオンの局部照射によってラジオサージャリが可能であり、各種の生体機能解析研究に有用であることが示唆された。